Case 2

後手どう粘るか。
単に71玉と寄るのは73成香。それから36桂だと取ってくれない可能性が高い。

図1

先に36桂なら玉を逃げにくい。
36桂、同歩、71玉(図2)。これなら73成香には55角がある。

図2

続いて52金、79飛成、53金、82玉(図3)と進み、少しだけ形勢接近。

図3

72玉・82玉ともに、盤上の攻め駒を置き去りにするのが狙い。早逃げで最も頻出する考え方だ。図3以下、62銀生、55角と進行し後手延命。

少し戻って53金が自然に見えてやや緩く、62銀生が勝ったようだ。続きはCase 3で。

71玉
–  将来必ず逃げることになる地点に先に行き、相手の手に応じて応手を変える
–  複数の攻め駒からの相対位置を遠くする
–  ナナメに大きく動けない馬に対して、横に遠い形にして相対距離を広げる
–  さらに早逃げする選択肢を作る

82玉
– 早逃げすることで王手を避け、駒を埋める手番を得る
– 複数の攻め駒からの相対位置を遠くする
– 縦の攻めを横の攻めにし、攻撃効率を下げる
– 王手で抜かれる手や両取りの筋を消す

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