Case 7

76角(図1)と打たれ、先手ボロ負け寸前。54角に当たっているのでとりあえず同角、同歩とするしかなさそうだが。
なお72角成と行くのは67金で詰み。

図1

57玉!として、54角に手番を得て73歩(図2)から最後の反撃に出る考え方がある。

図2

実は57玉はソフト推奨ではないが、人間的にはあり得ると思い取り上げた。後手にこんな風に感じさせるのが狙いである。

・・・角をボロっと取れるなんて読みにないが、悪いはずがない。と楽観していたら細い攻めをつながれ、反撃しようにも持駒が高すぎ、しかも意外と玉が遠い・・・

一般的に、大駒が玉をにらむ位置から外れながらそっぽの駒を取り、しかも手番を渡す手順は意外とリスキーなことがある。大駒が戻るのにもう一手かかるため、速度計算の裏付けが必要である。

図2以下、創作手順を示すと73同銀、85桂、82銀打、73桂成、同銀、74歩、同銀、73歩、同桂、66桂!(図3)

図3

66桂みたいな手が指せたら負けても満足と考えるのは極めて人間的な発想だが、自分もそう考える一人だ。いくらソフトが発達しても、手の感触というものは消す必要のない感覚だと思う。

57玉
・受けにくい狭い空間を脱出する
・縦の攻めを横の攻めにさせて攻撃効率を下げる

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