早逃げの目的分類1

「玉の早逃げ」とは、「主に終盤で、王手がかかっていない局面で早めに玉を安全な場所に移動させておく手」の総称です。
それらを観察していくと、一口に早逃げと言っても、手の意味の種類が様々であることに気付きます。一つの早逃げの手が同時に複数の意味を含む場合も多々あります。

ある手筋を自分で指せるようになるには、手筋の意味を理解することに加え、どのような局面で有効か、そして自分が今直面している局面でも本当に有効かを判断できることが必要です。このため、早逃げについてその分類や比較をすることが、この手筋を身につける第一歩だと考えるようになりました。

結果、私は以下の研究アプローチをとることにしました。

・早逃げが有効な局面、逆に有効そうに見えて実際はそうでない局面のサンプルを集める。具体的には以下。
(1)ソフトが早逃げを推奨した局面
(2)自分が早逃げがよいと思ったがソフトは推奨しない局面
・各局面の早逃げの意味・目的を言語化する
・手の意味が複数ある場合は、それらを分解する
・サンプルから得られた手の意味を分類し、リスト化する
・サンプル同士を比較し、どのような局面ではどういう理由で早逃げがいい手になるかの傾向を分析する
・例えば、同じ目的に分類された局面同士の共通点を抽出する

このような研究により、理由の理解を伴いつつ、早逃げが有効(または無効)な局面の経験値を積むことで、初見の局面での有効性を判断できるようになることを目指しています。

では、実際にその目的分類のリストを見てみましょう。

つづく

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