別の記事で、「より条件の良い2手スキに誘導する」という考え方を紹介しました。一口に2手スキと言っても様々な状態があり、2手スキを比較検討するための基準作りが必要になります。
例えば攻撃側に立ち、複数の2手スキを選択する想定で判断基準や比較基準の一般論を考えます。枝分かれた複数の2手スキ選択であっても、受ける前と受けた後の前後の2手スキ比較でも基準はそれほど変わらないと思います。
1.駒が入ると詰むかどうか
Zの2手スキと何か入れば詰む形の2手スキでは後者が(ずっと)優る。後者の間で比較すると、詰みに必要な駒の量が少ない方がよりよく、さらにその駒の入手が現実的なほうがよりよい。
2.詰めろ手順のコスト
詰めろ手順は取れる・成れる駒が多く、渡す駒が少なく、安い駒でかかる方がよい。駒当たりになっている形はそうでない形より優り、王手で取れる形はなおよい。同じ駒を渡すなら遅い方がよい。例えば2手スキをかけるまでに渡すよりも詰めろをかけるときに渡す方がよい。(先に渡す方が相手の手段が増えるため。)
持駒を打つ詰めろは、
デメリット
・その後の攻防の選択肢を減らす(例:合駒が減る)
・打った駒を標的にされる
メリット
・先着効果
・盤上の利き増加
などのトレードオフになる。
3.詰めろ時点での延命手段
詰めろをかけてもすぐにほどかれるケースは実質的な2手スキでない。ほどく手段は以下が典型的。
・大駒をはじく
・退路を開ける
・早逃げる
・要駒を抜く
・大駒の利きを止める
質駒を作る、あるいは持駒変換を許す詰めろはそうでない形より劣る。
4.詰めろをかける手順の多さ
複数通りあるほうが優る。
5.自玉との関係
詰めろをかけても詰めろ逃れの詰めろを返される形は2手スキの価値が低い。
他の条件が同じなら自玉が安全なほうが優る。
まとめると以下の5項目となります。
1.詰めろへの近さ
2.詰めろ手順の厚さ
3.詰めろの厚さ
4.詰めろ手順の多さ
5.反撃の少なさ