速度計算とは

速度計算の範囲付け

速度計算とは何をすることを指すのでしょうか。私なりに速度計算とは、以下を考えることだと思っています。

① 自玉、敵玉が現状何手スキか
② ①は条件変化によってどう変化するか (例:何を持てば詰むか)
③ 自玉、敵玉を寄せる具体的な手は何か
-現状3手スキなら2手スキにする手の列挙
-その次に2手スキを詰めろにする手の列挙
-逆側の玉に与える影響は?
-それぞれのメリット・デメリットは何か?
④ ③に対する受けの手は何か。各々のメリット・デメリットは何か
⑤ 攻防手はあるか。どのように双方の手数に影響するか
⑥ ①~⑤による情報収集を踏まえ、
(1) 優勢側にとっての一手勝ちコースの発見
(2) 優勢側にとっての逆転負けコースの回避
(3) 劣勢側にとっての一手負けコースの回避
(4) 劣勢側にとっての逆転勝ちコースの策定
加えて、相手の立場での同様の考察。

速度計算の考察プロセス

以下の例が示すように、①~⑥はその順番に考えるものでもなければ、それぞれ独立して考えるものでもありません。①~⑥は読みの作業としては全部つながっています。

速度計算は、これらの間を行ったり来たりして情報を統合していくプロセスだと言えます。

例1. あと2手で詰めろにできる手が見えて初めて、現状3手スキであることが分かります。これは③を一部行うことで①に到達する例です。

例2.角を持てば詰むことがわかったので、角取りをかけて2手スキにするという考え方があります。これは②→③→①という順番で考えています。

例3.瞬間的に詰めろであっても、いい受けがあってそのあと詰めろが続かない形は有効な詰めろとは言えません。④によって①の情報を修正している例です。

ソフトの手を分析すると、ソフトがいかに速度計算に基づいた手を厳密に選んでいるかがよくわかります。その技術を一緒に見ていきつつ、人間がどう活かしていくかを考えていきたいと思います。

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