「地獄変」5

7~8年前、無双・図巧を熱心に解いていた。その頃から、詰将棋の初形を覚えて頭の中だけで駒を動かすようになった。俺ってプロみたいなことしてるぜ、と自己満足に陥っていたことを覚えている。前述の通り、棋力向上にはあまり役立っていない。

個人的には、皆さんにも初形を覚えて解くことをお勧めする(勧める理由は後述)。覚えるのは意外と難しいものではない。

図面を覚える方法は主に3種類ある。
1.エリアごとに覚えて統合する
2.駒別に覚える(玉、飛、角・・・)
3.端から覚える(1筋、2筋・・・)

通常の短中編や指将棋の場合は1.になるため、2.3.の方法はやったことがない人が多いかもしれない。煙のような指将棋に現れない盤面の場合、認知科学でいうところのチャンク記憶が効かず、愚直に一枚ずつ声に出して覚えていくのが逆に近道になる。実際には1.2.3.を形に応じて組み合わせて使うことになる。

勧める理由は脳内将棋盤を作るため・・・ではない。脳内将棋盤を作る自体は目的ではない。図面を覚えると、図面をにらんで考えるよりも頭の中で駒を動かすほうが速く正確になる、というのがその理由である。駒を速く戻したり、類似局面を比較したりするのもやりやすくなる。図面を見てしまうと、視覚的情報や残像が逆に邪魔をする。実際、チェスでそのような研究結果が既にあるらしい。

長くなったので、図7を再掲するにとどめ、手順は次の記事で再開する。

再掲図7

つづく

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