1日目(12月19日)Part 1
次にやるのは奥薗幸雄氏の「新扇詰」。
図巧「寿」の最長手数記録を初めて破った作品として有名である。確か800手代だったはずだ。
竜追い単体では手数伸ばしに限界があり、超長手数を目指すには別の機構を加えるのが一般的だ。例えば「寿」は持駒変換が入っている。この作品も竜追いがベースのはずだが、どんなメカニズムが入っているのだろうか。
「寿」は4日で解いた。この作品もそのぐらいで解けるかどうか。
さて、解いてみよう。
67金、同とから入る。同竜は46玉で続かず、58香も同とでダメ。よって59香(図2)。
・58金合は同香~67竜~36金
・58成銀は同香~46銀~67竜
なので、以下のどちらかのルートになる。
①同成銀、67竜
②58と、同香、同成銀、67竜
両者の違いは成銀が59か58か。
あとで解説するが、どちらでも36竜、57玉、69桂、同成銀の形になるように見える。よって2手長い②が正解と考えて進める。
②のあと竜追いが始まる。
46玉、47竜~36~25~23~32~41~61、73玉、83香成、同桂、72竜~83~94竜、86玉(図3)。この軌跡を往路と呼ぼう。
ここで少し手が止まる。96竜、77玉となると69桂も88金もうまくいかない。97竜、76玉、67竜、86玉、97竜は連千。ん?
しばらくして97竜、76玉、67竜、86玉、87竜を取れないことを確認し、95玉から折り返しに入る。
95玉、96~94~83~72~61~41~32竜、24玉のときに21竜と取るのは14玉で打歩。慌てて取らずに23竜~25竜~36竜、57玉(図4)。これを復路と呼ぶ。
先述の通り69桂、同成銀。次いで58歩、同玉、38竜(39竜は57玉で逃れ)、57玉、58竜、46玉(図5)で2周目に入る。基本的な竜追いの軌跡は把握できた。